元ネタのため時勢が狂ってますが。あとがき。

箱根の山に、ダイスを振りに行く。

いい年をこいた男が6人、ガキのようにはしゃいで、ダイスを振りに行くのだ。

酒も飲む。
飯も食う。
温泉も入る。
ゲームキューブすら持って行く。

子供なら、一人丸々でも隠れられそうな、無骨な大きな旅行鞄に、下着の替えと、ダイスと、筆記用具と、キャラクターシートのファイルと、TRPGのルールブックだけを満タンに詰めて。
冬の箱根に、ダイスを振りに行ったのだ。

あぁ、そうだ。
人生の壮大な無駄遣いと笑わば笑え。
楽しいのだ。馬鹿馬鹿しい事ほど、楽しいのだ。
情報誌に載らない飯屋で、微妙に高い料理に文句を言いつつも、食ってみたら案外うまかったなんて事を味わえるのは、若いうちだけではない。
箱根の山の稜線を越える、寒々しい色の雲を見上げて紙コップで日本酒をあけ、露天風呂で他の客の迷惑も顧みずにTRPGの話に興じる。

そんな旅を、してきたのだ。

友よ。



2006年1月 小田原にて。


……というネタを、帰りに小田原駅を通過するときに思いついた。
だって小田原だし。
鬼骨がまわったぁーっ!