すとらいく・あ・ごーごー!(1)

satasupeリレマスキャンペーン:第2回

「ストライク・ア・ゴー・ゴー!」
DD:かなやんさん


■JailHouseに呼び出される一行。
夜。外は雨。
コートを翻し、ウーランが店に入る。そこにはスケッチブックを携えた真っ赤なコートの男が座っている。真っ赤のコートの男の喉には星型の傷跡。
男はスケッチブックを開くと、バーテンに示す。
どうやら男は喋る事ができないようで、筆談でバーテンに瓶入りの栄養ドリンクを注文をしていた。
男の名は烏山省二、「ナイチンゲール」と渾名される探偵であり、亜侠である。

バーテンが振り向く前に、一人の少年がカウンターの中に入り込み、勝手に冷蔵庫を開ける。
まるで我が家のように冷蔵庫を漁り、注文の品を取り出すと烏山に放り投げる。
少年……バーブチカはそのまま何事もないかのように酒瓶を数本懐にしのびこませると、指定席であるかのようにウーランの隣に座る。


そのとき、扉が開くとぬれねずみになったスーツの男が入ってきた。
スーツの男はきょろきょろとおちつかなげに店内を見渡すと、コートの男たちとは一つ席を空けてカウンターに座る。
この男、海老原丈治という。つい先日職を失ったばかりだ。

店の前にブレーキの音が響き、一人の少女が降りてくる。
店に入ってきたメイド姿の少女、ロッタはにこやかに微笑むと一つあいていた席に座った。



どうやら、これで呼び出されたメンバーはそろったらしい。
バーテンは奥のボックス席へと一行をいざなう。
そこには今回の依頼人、コンビナートの男たちが待ち構えていた。
前回の事件で多少面識のできていたコンビナート構成員、アレクサンドル・ジブコフである。


・−・−・−・−・−・−・−・−・−・
■依頼内容

は、とあるアラブ人の所へ荷物を届け、その代金としてダイヤを受け取ってくること。

運ぶ荷物は16トンのトレーラーに積まれたコンテナ二つ。
内容を確認すると大量の重火器と装甲車が3台。
期限は2日後の深夜まで。

なにか裏があるのではと勘繰りながらも営業スマイルの海老原。
とりあえず皆の合意を得て依頼を受けてみたり。

・−・−・−・−・−・−・−・−・−・
■コンビナートご一行様が帰った後に、

ウーランの携帯がなる。
ボリュームを最大にしたままのウーランの電話からは、大幇の若手構成員の怯えた声が。
「…というわけで、奪われたダイヤを取り戻し、犯人を消すのが今回の依頼です」

電話終了後、ウーランは言った。
「スタートボタンを押してポーズします」
おおっと、これはプレイヤーの発言。
(ウーランPL黒野さん:「どうしよう」)
依頼内容はすでにコンフリクト。しかしパーティは立場上どっちの依頼も何とかしなければいけない。
(むしろ「両方何とかしないと面白くない(馬鹿の聖痕を光らせつつ)」)

さてどうしたものか。

・−・−・−・−・−・−・−・−・−・
■まずは情報を集めに走る一行。

まず調べられそうなのはアラブ人についてとダイヤについて。
なんだかサイバーパンク.batが起動しそうな勢いですよ?
1日で全ての情報を獲得するべくもきもきと動き回る亜侠たち。なんだかんだいってかなり効率よく情報をゲットしていたり。


アラブ人の名前はムハンマド何某。沙京流氓配下の盗賊団であり、家族を大幇に殺された経歴を持つ人物である。
現在は倉庫街のほうにいるっぽい。
ザ・ダイヤ盗んだのお前だろ。

ダイヤは「スプーン職人のダイヤモンド」(実在)と呼ばれるもので、握りこぶし大の巨大なダイヤ。元々はムスリム圏の至宝であり、現在は巡りめぐって大阪のとある華僑系の宝石商の家の家宝になっているとか。
でもって、どうやらこのダイヤはレジェンダリ級のおたかららしく。
「相手と自分の能力やデータ、地位を永続して入れ替える事ができる。そして入れ替えたときにダイヤは近くにいたものの手に渡る。能力を入れ替えたものは、それを知るものにそのことを責められると永遠に治る事のないトラウマを負う」
とかいう、微妙に使えるんだか使えないんだかわかりにくい逸品だとか。


で。情報を集めていると幾つかイベントが。

■ウーラン襲われる。
ホテルジャカルタの自室に戻ると、流氓の三下が3人突貫してきて襲いかかる。
「中国人にダイヤは渡さないネ!」
超即効で叩き殺される三下。心臓をくりぬいて加えさせ、窓から投げ捨てるウーラン。ザ・超人。
死体を漁ると、茶封筒を発見。調べる世界。


■酔っ払うソーギヤ発見
JailHouseに戻ったときに、へべれけになっているチームメンバー、ソーギヤを発見する一行。
何とか話を聞くと、またも護衛対象がやられたとか。
今回護衛していたのは華僑の宝石商の家で、どうやらソーギヤの分担場所とはまったく別のところから盗賊が侵入したらしい。
どうもソーギヤの護衛していた家は件の宝石商らしく、つまるところ犯人は流氓のムハンマド御一行様。
共通の敵っぽい人がいたことで協力を申し出てくれたソーギヤにより、一度だけソーギヤのお宝「平和の呼子」を使ってくれることに。



■茶封筒チェキですよ。
中には万券程度の価値のダイヤのかけらと、半分に切られた割符が一つ。
割符には漢字の様な文字が書かれているが……。調査の結果これはウィグル族が使う亀甲文字と判明。
意味は「全てのウィグル族は漢民族の支配から解放される。白き星の輝きの元で」程度の意味らしい。
ウィグルは中国(大幇)に組み込まれているものの実質的には回教徒(ムスリム)の多い地域。
ムスリムが多いのは流氓。もしや、大幇内部にウィグル族の内通者が?


■裏切り者を探せ
調査の結果、裏切り者ハケーン。
ウィグル族出身者にて大幇の構成員、白星(パイシン)、ウィグル名をユルドゥス。
同じ回教徒のよしみでムハンマドと通じ、宝石商の屋敷へ侵入する手引きを整えたのはこいつである。これがウーランのヒットリストに載っている男だと判明。
どうやらこいつ、既に大幇から飛び出して倉庫街に隠れている模様。
ムハンマドのところでつるんでるのかなぁ?


・−・−・−・−・−・−・−・−・−・

■考えてみれば
ムハンマドはコンビナートにダイヤを売り払い、武装を手に入れようとしているわけですが。
ムハンマドムスリムなわけで。ダイヤはムスリムの至宝なわけで。まともに取引できるともなかなか思えず。
しかもPC側の目的を考えても、まともに取引してしまってもいささか都合が悪い気味で。


コンビナートと大幇とのどっちにダイヤを持っていくかとか、流氓とは敵対だなぁとか相談しつつも時は過ぎ行き。さぁどうしよう?