【長文】ALGシナリオ「聖なる夜の長い戦い」
ALG「聖夜作戦」
この前使ったやつをテキスト化してみました。すごい長いので注意しろ。
そもそも入りきるのかわからないぞ。
適正人数：3〜5人以上（手間さえ考えなければ9人程度までは処理可能）
適正レベル：3（モンスターデータの修正で、自由に変更は可能）
想定時間：3+（PC人数-4）時間程度（実例として、PC7人で6時間弱）
■GMへの諸注意
これは、戦闘をメインに据えた多人数対応のシナリオです。
通常のシナリオと違い、ある程度長時間遊ぶことを前提としています。
ストーリーの重要性は低く、キャラクターごとの当事者性というものはあまり高くありません。
戦闘の回数はのべ5回予定されており、それぞれに条件がついている事があります。
メンバーがお互いの戦力を確認し、チームワーク良く敵と戦うことを目標とした、ある意味「戦闘訓練シナリオ」といってもいいでしょう。
そのため、ハンドアウトにはPC番号をつけていませんし、同じ内容の共通ハンドアウトです。
また、時期を考えてクリスマスをネタにしていますが、あまり深い意味は有りません。
時期に関するシナリオ上のギミックはありませんので、自由に改変しても良いでしょう。
■ハンドアウトに関して
今回のハンドアウトは、あくまでも所属組織ごとの導入例となります。
また、フリーランスのキャラクターは全てフューネラルコンダクター社から依頼を受けたとするのがよいでしょう。
今回のハンドアウトでは、アイギスの折田シオリが使われており、シナリオ内でも護衛対象として登場する事があります。
しかし、これはアイギス必須ということではなく、あくまでも一例でしかありません。
魔術師連盟のPCがいればゴールディ教授でいいでしょうし、PCに縁のあるNPCであれば、誰でも差し替えは可能です。
（護衛対象なので、戦力は低く、一般社会への適正の高いNPCを選ぶことをお勧めしますが、シナリオに修正をすることは可能です）
■シナリオの舞台
東京都23区を舞台としています。
シナリオギミックに多少関連しますが、これは好きに書き換えてかまいません。
遊ぶ方の地元を使うのもよいでしょう。
■シナリオ概要
東京上空に発生する、大規模な奈落の侵攻をおし留めるために戦います。
現れたのは、巨大な卵と、それを守るように展開する奈落の軍勢。
魔術師連盟、サジッタ社、FC社などが準備した、大規模な「対奈落攻撃装置＜ミョルニル＞」の起動には、後わずかな時間が必要で、PCはその間結界を守るために時間稼ぎを行う。
卵の中からは双子の奈落が生み出され、彼らは結界を突破し、東京のどこかに結界を張り潜伏。
さらに大きな奈落、ティターンを呼び出すための門を開くべく、儀式を始めたのだ。
PCは各勢力と連携し、奈落の拠点を探し出し、奈落の企みを打ち砕くべく動き出す。
拠点を突き止め、奈落の双子を倒すことでこのシナリオは終了する。
■今回予告
XXXX年12月24日23:55、東京都23区、上空2000m。
魔術師協会が予見した大規模な奈落の出現を前に、近隣のクエスターの多くがここに集結した。
何台ものステルス輸送ヘリが対象エリアに張り付き、巨大な結界を展開する。
虚空より現れる、巨大な「奈落の卵（イースター・エッグ）」。
生まれ出でるは、奈落に染まりし影の双子。
ティターンの復活を告げる復活祭が、今始まろうとしている。
アルシャードガイア「聖夜作戦」
今夜、蒼き星に奇跡が生まれる。
■ハンドアウト
推奨カヴァーは全て「クエスター」とする。
クエスターとして奈落と戦い、人々を守るモチベーションだけがあればよい。
マシンヘッドやオーヴァーランダーなど、所属が決めにくいクラスもあるが、適宜埋め込んでいってよい。
所属は今回は重要ではないので、フレーバー程度と考えてもらって問題ない。
・共通ハンドアウト
君は＜組織名（以下参照）＞に所属するクエスターだ。
今回、東京上空に大規模な奈落の発生が予見されたため、各組織の、あるいはフリーランスのクエスターたちが集められ、その中に君もいた。
音もなく飛ぶ、大型輸送ヘリの中、FC社のブラックロータスが作戦の説明を始めた。
どうやら、長い夜になりそうだ
・＜FC社所属PC＞
コネクション：ブラックロータス
推奨クイックスタート：
「力の執行者」「魔剣使い」など、戦闘力の高い人物。および宗教関係者。
・＜魔術師連盟所属＞
コネクション：ブライアン・ゴールディ教授
推奨クイックスタート：
「マジカルシューター」「ガイアの巫女」、および魔術に関連する人物。
・＜サジッタ社所属＞
コネクション：アルミナ・エッシェンバッハ
推奨クイックスタート：
「カードサマナー」や、一部アルケミスト。オーヴァーランダーもここでいいかもしれない。
・＜フォーチュン所属＞
コネクション：高坂橙子
推奨クイックスタート：
「勇者候補生」「大地の子」。およびアーティストなどの一般人っぽいのはここを推奨。
・＜アイギス所属＞
コネクション：シオリ
推奨クイックスタート：
「世界の守護者」「奈落を狩る者」など。
・＜タナトス所属＞
コネクション：
推奨クイックスタート：
ホムンクルスなど。サイキッカーもここでいい。
・＜時間管理局所属＞
コネクション：
推奨クイックスタート：
リターナー。
■オープニングフェイズ
シーンプレイヤーは、特に関係が無い限り記載しない。
オープニングフェイズは、12月24日、23:55からスタートする。
■シーン１：12月24日、23:55。東京上空いらっしゃいませ
・解説
全員登場。
作戦指揮官であるブラックロータスが、今回の作戦の説明を行う。
ここでは、戦闘の勝利条件の説明と各PCの紹介を行い、各自のキャラクターや能力の把握を行わせる事が目的となる。
ブラックロータスの説明が終わったら、各自の紹介を行い、多少の会話をさせること。
厳密に5分で区切る必要は無いが、会話がだれてきた時点で「今、この空域に結界が張られた」といってシーンを切ること。
・描写
クリスマス・イブ。
遥か眼下では、人々が平和な聖なる夜を楽しんでいるだろう。
きらびやかなネオンサインも、高度2000mからでは輝く点の集まりにしか見えない。
いや、こんな所からも鮮やかに見えるということ自体が凄いのかもしれない。
ほとんど音もなく飛ぶ大型輸送ヘリの内部は、静かな緊張感が漂っている。
これから、大規模な戦いになる。皆、それを分かっているのだ。
今回の指揮官、FC社の枢機卿ブラックロータスが部屋に入ってきた。
・セリフ：ブラックロータス
「ここに集まってもらったのは、東京都内にいる、現時点で動く事が出来るクエスターの過半数です」
「つまりは、それほど大規模な作戦です。失敗したら、東京は奈落の手に落ちるでしょう」
「連盟、サジッタ共に、12月25日の午前0時……つまり、後5分後に、この東京上空2000mに、大規模な奈落の発生を予見しました。それがおよそ5時間前のことです」
「現在、未だ実験段階ではありますが、対奈落広域破壊兵器＜ミョルニル＞を準備中です。3分後に、この空域に大規模な結界を構築し、その中でその兵器を起動します……が、起動までには、結界の展開以降もわずかに時間が必要です。計算上、想定される奈落の出現から20秒ほど遅れると思われます」
「お分かりですね。皆さんには結界内で奈落を迎え撃ち、時間を稼いでいただきます。結界を破壊された場合、効果がどこまで拡散してしまうかも未知数なのです。敵を取り逃がしてしまう可能性が非常に大きい」
「あぁ、ゴールディ教授が自ら実験済みです。ダンピールのクエスターは、多少の不快感を覚える程度ですが……奈落に対してのみ、劇的な効果を発揮します」
・結末
【クエスト：結界を守りきる】を渡してシーンを切る。
■シーン２：12月24日、23:58。メリークリスマス・ミスター・ローレンス
・解説
虚空から奈落が現れ、戦闘となる。
戦闘開始前に勝利条件を確認すること。
・描写
予定時間より2分ほど早く結界が構築され、世界から音が消える。
皆の緊張が高まリ始める。
その時、空に亀裂が入った。
予想よりもやや早い、だが、こちらの方がわずかに早かった。
・セリフ：パイロット
「空域中央に時空震！ 空に亀裂が発生、奈落が出現します！」
「中央に巨大な球体状の奈落……まるで卵みたいだ！」
「卵の周辺に、護衛と思われる人間型奈落の存在を複数確認！ 雲霞の如く小型の奈落が湧き出してきます！」
・セリフ：ブラックロータス
「ギリギリでしたが、結界の構築は間に合いました。ですが、＜ミョルニル＞の起動までは後30秒程かかります」
「その間、結界を破壊されてしまうと逃げられてしまう可能性が高い。皆さん、結界の防衛をお願いします」
・結末
ここで、PLに勝利条件を伝える。
ただし、これは失敗してもシナリオ終了ではなく、後々不利になるものであると説明しておくこと。
条件：
「結界のHPは50点、回避、防護点なし。結界が破壊されたら敵が逃亡する」
「敵は結界の中央に存在。敵から15m距離にPCを配置。PCのエンゲージは同心円状に4箇所まで作成可能」
「敵から30m、PCの初期位置から後ろ15mに結界の外壁がある」
「戦闘開始から3ラウンド目の終了時に、＜ミョルニル＞が起動するので、そこまで結界が持ちこたえればOK」
そして、君たちは結界の中に飛び出していく。
■シーン３：12月24日、23:59。戦場のメリークリスマス
・解説
戦闘シーンである。
ここに登場する敵は以下の通り。
・中央のエンゲージ
イースターエッグ（仮称）：1体
HP60+（PC-3）*20点、防御なし、行動はしない。はじめのセットアップだけ＜集団統率＞を使う。
3ラウンド以内に破壊できた場合、ミッション経験点に5点のボーナスを加える。
ダンピール（5Lv）：3+（PC-5、最低0）体
フォックステイル（4LV）：3+（PC-5、最低0）体
・周辺のエンゲージ（前後左右の4箇所に配置）
ゴブリン（1Lvモブ）：2+（PC-2）体
インプ（3Lv）：1体
・戦術
フォックステイルとダンピールは、各2体はイースターエッグ周辺に残る。
周辺エンゲージのゴブリンはPCに襲い掛かる。インプは全力で移動し、結界の破壊を試みる。
残ったダンピールとフォックステイルは、適度に移動し結界の破壊を試みる。
ここはまだ練習であり、GMは手を抜く必要は無いが、全力を出す必要も無い。
また、PLが不慣れな場合もあるだろうから「敵がカバーリングを使う」「全力移動でPCとエンゲージしない」「エンゲージの封鎖」などの行動をゴブリンにとらせて、どのような手を使ってくるのかを見せるとよいだろう。（ゴブリンであれば、判定で対抗する事が充分可能であり、ヒヤッとしても致命的ではないため）
・描写
中央の卵を守るように、敵は展開してきた。
どうやら、あの卵はなにか大事なものらしいが……こちらの結界を守ることも重要だ。
・セリフ
なし
・結末
→3ラウンド目の終了前に結界を破壊された
ミドルフェイズの戦闘で、全ての敵に＜攻撃力アップ1＞が追加される。
もともと＜攻撃力アップ＞系の特技を持っているクリーチャーには効果が無い。
シーン5へ
→イースターエッグを破壊していないが、結界を3ラウンド守った
シーン5へ
→結界を破壊される前にイースターエッグを破壊した
シーン4へ
■シーン４：ハロー・グッバイ
・解説
GMシーンである。登場不可なので、HPの回復などに努めるよう伝えること。
まだシーン3で3ラウンド目が終わっていない場合は戦闘を継続する。
（シーンは切って、新しいシーンとしてよい）
これはある種ボーナスステージである。
クライマックスで登場する敵があらかじめ出てくるので、ここで倒しておけばクライマックスでの敵戦力をそぐ事が出来るだろう。
ここで追加として登場するのは以下のクリーチャーである。
そこそこ強めなので、不慣れなPL相手の運用には注意すること。
・中央のエンゲージに追加
連盟の殺し屋（9Lv）：1体
ズィルバー（7Lv）：1+（PC-4）体
インプ（3Lvモブ）：PC体
「少年」と「少女」（データ不明）
少年と少女は能動的な行動をとらない。
ズィルバーは基本的に全ての行動を＜マナウォール＞でのカバーリングにあてる。
・描写
イースターエッグが、割れる。
その内側から、何かが現れる。
それは、影のような色合いの少年と少女。
その影から、何対もの奈落が生み出される。
・セリフ：少年少女
「……」
・結末
戦闘を継続する。3ラウンド目が終わったらシーン5へ。
ここで、連盟の殺し屋、ズィルバーを倒していた場合、1体につき一つのハイMPポーションを獲得。
また、クライマックスの戦いに彼らは参戦しなくなる。
生き残っていた場合、彼らはクライマックスの戦闘に参戦しているが、減少したHPはそのままとなる。
■シーン５：聖者が町にやってきた
・解説
＜ミョルニル＞が発動し、奈落を一度退ける。
少年少女は＜イーヴァルディ＞で周囲のヘリを打ち落とし、＜マリーシ＞で撤退する。
＜マリーシ＞を打ち消す場合は、＜オーディン＞で打ち消しなおすことをあらかじめ宣言すること、
・描写
空気が変質する。
周囲を紫色の電光が包み、奈落を滅する力が解き放たれる。
＜ミョルニル＞が起動したのだ。
奈落たちは、イースターエッグ（少年と少女）を守るようにし、焼き尽くされていく。
そこで、初めてイースターエッグ（少年と少女）が言葉を発した。
・セリフ：イースターエッグ（少年と少女）
（少年の声）「……よい夜に。我等の神の復活祭に。（＜イーヴァルディ＞使用）」
（少女の声）「……さようなら、神意に背く人たち（＜マリーシ＞使用）」
・結末
イースターエッグが残っている場合、この時点で卵がひび割れ、中から少年と少女が生まれ出でる。
（周囲を取り巻く奈落の軍勢も、この時点では彼らの影の中にしかいないので登場しない）
＜イーヴァルディ＞は周囲全てを対象にするため、PCが打ち消さない場合はヘリが落下する、などのイベントを起こしてもよい。
結界が無事であれば、結界の中での出来事であり、実際の世界に影響はなかったとしてもよいだろう。
ヘリや職員達、および東京を守るためにイーヴァルディを打ち消した場合、クライマックス前に、ヘリの乗務員たちからお礼として「PC人数*1」のMPポーションや魔法弾（4個1セット）などが渡される。
ここでは、初期に取得できそうなアイテムであれば、ある程度融通してもよい。
加護一つに対してはあまりにもささやかな報酬であるが、一般人である彼らからの礼と激励の言葉は、キャラクターとしては励みになるだろう。
＜マリーシ＞で奈落たちが退場したら、このシーンを切ること。
■ミドルフェイズ
ミドルフェイズは、12月25日午前2時からスタートする。
■シーン６：12月25日、0:05。深く静かに潜行せよ。
・解説
GMシーン。奈落が3箇所に拠点を作り出したことを示唆する。
各自に結界が張られ、何らかの儀式の準備を始めていることを教えること。
・描写
１：結界内。環状線を見下ろすように、巨大な人型の物体が町を破壊してる。
破壊された町は、人型の足元に散らばり、巨大な魔方陣を構築していく。
世界のマナを吸い取り、人型はより大きく、より硬く、強くなっていく……。
２：きらびやかな町の裏側。結界の向こう側、誰もいない都市を、奈落の尖兵たちが進む。
影だけが街路に、ショーウィンドウに映り、存在を教えるが、それを見るものはいない。
鏡の向こう側には、聖夜に遊ぶ人々が集うパーティ。その中に、一人の人物がいた。
（これは、基本はアイギスの織田シオリである。ただし、ほかの人物でもよい）
３：無人の町並みを見下ろすように、一体の奈落が中空から町を見下ろす。
彼の存在自体が大きな呪いでもあるかのように、周囲のマナは枯れ、世界から光が失われていく。
彼を中心に、町の灯が消えていく。夜が広がり、空の月さえも隠していく。
・セリフ
なし
・結末
それぞれの演出が終わったら、シーンを切ること。
PLから質問があった場合は、ある程度は答えてよいが、モンスターの種類などは教えてはいけない。
■シーン７：12月25日、2:00。奴等を高く吊るせ。
・解説
ここは情報収集シーンである。
FC社の作戦司令室（大型施設である。HP、MPを回復させること）で、この二時間で確認できたことをPCに説明し、これから行うべきことを解説する。
奈落は環状線（東京の場合は、JR山手線である）のどこかに拠点を築き上げ、マナを吸収している。
何の目的があるのかは不明だが、放っておいてよい訳がない。
PCはここで、奈落の拠点がどこかの調査、および、そこに何があるのかの調査を行う。
調査の対象となるのは、以下の（PC人数+1）箇所である。人数が4人であれば、5箇所までが提示される。
「池袋」「新宿」「渋谷」「品川」「東京」
「上野」「日暮里」「駒込」「水道橋」「四谷」
（基本は、正解は「日暮里」「品川」「新宿」の三箇所とする。これで山手線を使って、丸と三角の大雑把な魔方陣としているが、特にこだわる必要はない。GMは適宜変更すること）
東京の路線図などを頼りに、大雑把でも図を描いて示すとPLは考えやすい。
調査は【理知】あるいは【幸運】の判定で行う。
調査は、大きい調査である「どこに奈落が潜んでいるか」と、細かい調査である「指定した場所にはどのような奈落がいるか」の2種類。
●どこに奈落が潜んでいるか
達成値8で一箇所を指定し、そこに奈落の拠点が有るか無いかを確認できる。
達成値が+2されるごとに、確認できる箇所が+1箇所される。クリティカル成功の場合は、すべてわかってよい。
（GMは、PCが調査に詰まったようだったら＜ヘイムダル＞や＜フレイヤ＞の使用を薦めるとよい）
基本は、正解は「日暮里」「品川」「新宿」の三箇所とする。
●指定した場所にはどのような奈落がいるか
達成値10で、そこにいる奈落の数と、どのような条件で戦うのかが判明する。12で合計レベルもわかる。
これは、PC4／6人人で想定したバランスである。
「日暮里」（シーン6の描写1）
10：敵は1体／2体。敵は力を蓄える儀式をしており、3ラウンド以内に倒さなければいけない。
12：敵の合計レベルは6／12である。
（敵はストーンゴーレムを使用する）
「品川」（シーン6の描写2）
10：敵は3体／6体。エキストラNPC一人を5ラウンド守りきらなければいけない。
12：敵の合計レベルは11／22である。
（敵はダンピール1体、インプ2体である。6人時は単純に倍にすること）
「新宿」（シーン6の描写3）
10：敵は1体。5ラウンド以内に倒さなければいけない。
12：敵の合計レベルは7／10である。
（敵はズィルバー／異界の使途である）
これらを解決している必要は無いが、これらを達成すると、クライマックス時に敵の弱体化、およびPCへの加護の追加が発生する。これは詳細は述べる必要は無いが、あらかじめ告げておくとよい。
次のシーンでは、3箇所に別れて、同時並行に戦闘を行うため、どこか一箇所の戦場に行ったPCは、ほかの戦場に登場できない。
（ただし、＜マリーシ＞や＜ヘルモード＞で違う戦場に移動することは可能であるし、品川で「シオリを連れて＜ヘルモード＞で退場する」ことによって、目的を早めに達成することはできる）
・描写
FC社、魔術師連盟、サジッタ社、フォーチュンなどの必死の調査により、わずか二時間で、ある程度のことがわかった。
奈落は結界を張り、環状線のどこかに数箇所の拠点を作って、何らかの儀式を行っているらしい。
マナの変動の大きかった場所は、絞り込んだ結果（PC人数+1）箇所。
このどこかに、奈落が潜んでいるのだ。
・セリフ：ブラックロータス
「調査の結果、以下のどこかに奈落が拠点を築いたことが判明しました。あなた方には、奈落の拠点を見つけ出し、そこを叩いてもらいます」
・結末
一人一回の調査が終わり次第、目的地に移動する。
なお、場所がわからないままだった場合、適当に選んでもらって、そこに移動することになる。
その場合は、2ラウンド浪費し、戦場にたどり着くが、品川のNPC救出だけは無条件で失敗となる。
■シーン８：12月25日、04:00。皆殺しの歌
・解説
戦闘シーン。
「日暮里」（シーン6の描写1）
条件：3ラウンド以内に倒さなければいけない。
敵はストーンゴーレム。PCは1エンゲージで、敵までの距離は10mとする。
倒しきれないと、クライマックスの敵加護に＜ティール＞が追加される。
「品川」（シーン6の描写2）
条件：エキストラNPC一人を5ラウンド守りきらなければいけない。
敵はダンピール1／2体、インプ2／4体である。NPCとPCは同一エンゲージ。
敵エンゲージまでの距離は30mとする。
守りきると、クライマックスに＜ブラギ＞が2回使用され、PC側の加護が2個回復する。
「新宿」（シーン6の描写3）
条件：5ラウンド以内に倒さなければいけない。
敵はズィルバー／異界の使途である。
PCは１エンゲージで、敵までの距離は10mとする。
倒しきれないと、クライマックスにこの奈落が参戦する。
・描写
指定なし。
・セリフ
シオリとのみ会話が発生する可能性がある。適宜演出すること。
・結末
戦闘に勝利するか、時間が経過すると戦闘は終了する。
時間切れの場合、敵は撤退する。
■シーン９：12月25日、04:45。地下室のブルース。
・解説
シーン8での戦闘の後、マナの流れを追うと、東京の地下鉄網の、使われなくなった廃線に流れ込んでいることが判明する。
地下に大規模な結界を張り、マナの流れをコントロールしているのだ。
決戦前に、FC社の作戦司令室（大型施設である。HP、MPを回復させること）で最後のブリーフィングを行う。 ここで、品川のミッションに成功していると、NPC達が＜ブラギ＞を2回使用し、PC側の加護を回復させる。どれが回復するかはPC間で相談すること。
・描写
敵の本拠地が判明した。
地下深くに大きな結界を作り、そこで今までに集めたマナを使い、儀式を行っている。
儀式の内容は、おそらくはもう一度の大規模な召喚。
一度開いた門を、さらに大きく開こうというのだろう。もう、あまり時間が無い。
・セリフ：ブラックロータス
「本拠地が判明しました。すでに何らかの儀式が実施されています」
「同時に、結界を破り、各地で小規模な奈落の尖兵たちが暴れだしています。時間稼ぎでしょうが、放置もできません。非クエスターの実働戦力は、すべてそちらの対処に費やされています」
「稼動的にも、実力的にも、あなた方しか本拠地に向かえる人はいないでしょう。厳しい任務ですが、お願いします。この戦いを乗り越えなければ、明日の朝日は見ることができないでしょうね」
「推測ですが……あなた方が現地についてから、2分も無いでしょうね」
（ヘリのパイロットたちが生きていれば）
パイロット「さっきはあんたらのおかげで助かったよ。たいしたものは用意できなかったが、俺たちからの差し入れだ。使ってくれ（いくつかのアイテムを渡す）」
・結末
決戦地へ向かうところで【クエスト：儀式をとめる】を与え、シーンを切る。
ここで、PLが望むならば施設内で傷を癒すシーンを入れてもよいが、そのシーン数分だけ、クライマックス戦闘の制限ラウンド数が減ることになる。
クライマックスの戦闘は、「9ラウンド以内に終わらせないといけない」ことは、GMからPLへ伝えてよい。
1シーン回復にまわせば、HP・MPを2D6点回復させることができるが、その分ラウンド制限が減ってしまうことに注意すること。
■クライマックスフェイズ
■シーン１０：12月25日、05:30。
・解説
戦闘である。会話を終わらせたら、戦闘に移ること。
PCから15mの距離に、手前のエンゲージ。
そこから更に15m後ろに、奥のエンゲージを配置する。
・奥のエンゲージ
少年と少女（フレイとフレイアの影。17Lv相当）：1体
連盟の殺し屋（9Lv）：1体
ズィルバー（7Lv）：1+（PC-4）体
ガーディアンボール（3Lv）：3+（PC-3）体
・手前のエンゲージ
インプ（3Lv）：PC*1体
加えて、今までの生き残り。
フレイとフレイヤの影は、ALG上級ルールのボステンプレート「ギガンティス（超兵器タイプ）」と「スペクター魔法タイプ」のデータを用いる。
ただし、毎ラウンド1D6をふり、どちらかがランダムに現れる。
HP、MPは共有で、HPは200、MPは100とする。
加護（PC3人の場合9個、PCが一人増えるごとに1個追加。順序は番号順にすること）
01■マリーシ 02■イドゥン
03□ネルガル 04□ヘル
05□フレイ 06□フレイア
07□エーギル 08□オーディン
09□（ティール）：条件によっては所持していないが、数には入れておくこと。
10□ヘルモード 11□タケミカヅチ
12□ヘイムダル 13□ニョルド
14□フレイア 15□フレイ
・描写
・セリフ：少年と少女
「やぁ、遅かったね。もう遅い、あと少しで、我等が主を迎え入れる門が開く」
「私たちの役目も、ここで終わります。貴方達の命も、そこで終わるでしょう」
（正体を問われて）
「僕らは、ティターンの神々に作られた神の似姿。この世界に入り込み、門を開く鍵であり、門そのものでもある」
「わたしたちは、フレイの影と、フレイアの影。その姿を模して造られた、奈落の使途」
「「さぁ、命を捧げよ。我等が神の復活祭に」」
（倒された）
「あぁ、聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな……」
・結末
戦闘となる。勝利したらエンディングへと移る。
■エンディングフェイズ
シーン１１：12月15日、06:00。ホワイト・クリスマス。
・解説
特に指定は無い。
クライマックスの戦いに勝利していれば無事に世界は守られ、朝日が訪れる。
・描写
朝日が昇り、25日が始まろうとしている。
ちらりと、白いものが視界を横切る。雪だ。
積もることなく消えてしまうだろうが……もしかしたら、ホワイトクリスマスを楽しめるかもしれない。
・セリフ：ブラックロータス
「お疲れ様でした。皆さんのおかげで、世界は保たれました。
皆さんにも、神の祝福が有らんことを。Amen」
以上、これにてシナリオは終了となる。
アフタープレイに移ること。
■シナリオの対応レベル調整に関して
モンスターのレベルは、3レベルパーティ用に組んであります。
基本的に、多数のモンスターとの、それなりに時間をかけた乱戦を楽しんでもらおうという意図の下に組んでいますので、単に敵のレベルを上げるだけでは面白くないかもしれません。
一応、弱い敵はPC-2（ゴブリンなど）レベル、ちょっといやな敵はPCと同じから少し上のレベル（インプ、ダンピール、ガーディアンボールなど）、強敵はPC+2〜7レベル程度（ズィルバー、連盟の殺し屋、異界の使途など）です。
単に強いのではなく、防御に長けた敵（ダンピールなど）を出してみたり、振りなおし特技（フォックステイル）や長距離攻撃を持つ敵や、カバーリング特技を持つ敵などを出して、敵側の連携をいじってみるのもよいでしょう。
また、単純にレベルを上げるのではなく、敵の数とエンゲージ数を増やして見るのも一興でしょう。
フォックステイルなどは、PCが何レベルであってもいやな相手であることは確実です。
