【TRPG】トーグオンリーコンの簡単な報告最終回

これにて最終回。
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「そもそも詐欺ですよ。この世界にいるのは全て死者のみ。
死者は全て生ある世界への帰還を求めながらも、満たされないのがその定め」
「それを利用しているのがメビウスの計画ってことか」
「其の通り」
「黄金の姫、割と勝ちそうなんだけどアレはナンなんだろう」
「あぁ、お答えしましょう。ルナルの彼女は新しい肉体への受肉が目的なんだけど……」
「ナンだけど?」
「あいつのリアリティ、ニッポンテックだから信仰アクシオムと魔法アクシオムが足りないのでそもそも転生とか無理」
「また詐欺か!」
「あれ、でも俺たちってそれじゃ……?」
「ホホホ、それはオチを確認してのお楽しみでおじゃるな」
「おいGM、その平安京ダブルクロスみたいな寝言はやめろ」
「ところで、どこの誰が異世界から死者を呼び出したりするんだよ」
「いや、まぁなんというか。メビウスって普通に死者の国にいって、神から冥府の炎を借りてきたりするんだよね。
一応、今回は一つ裏ネタがあって、体を失ったどこかのネクロマンサーが協力しているかもしれないけどね」
「そういや、このゲームTORGだっけ。忘れてた」

というわけで、わかったことを統合して、出てきた情報はこんな感じ。くそ、推理強いな。

・要するにロードとハイロードは、最初から「負けること」を前提に呼び出されていた。
・元々死んでる魂をコピーしてきて、コアアースに攻めてきているほかのコズムのレプリカに貼り付けているだけだしね!
・本来であれば、オーロシュの力を持っているディアボロスたんが全てのロードを倒し、力を手に入れて勝利するはずだった。
・つまり、プランナーってのはDrメビウスのことだった様子。ディアボロスは気がついていたかどうか不明。
・トルウィン、レッドハンド、ウーハンの存在は、Drメビウスにとってかなり想定外だった模様。
・特にトルウィン。矛盾を起こしても何とかしてしまう彼女がいないと、黄金の姫の巨大ロボはまともに動かないはずなのだ。
・実はPLの存在は予定されている? あるいは、想定外? これはちょっと不明。
・この世界からの出口は空にあって、どうにもダンケルザーンを何とかしないとそもそも無理っぽい。
・で、ロードが最後の一人になった時点でこの世界は収縮し、どこかに消えてしまう様子。

で、結論は。

・黄金の姫倒してロボット奪ってダンケルザーンに特攻。
・その後門をくぐってコアアースに逃げられるといいなぁ。でもナイルにつながってるっぽくね?

まぁわかりやすい。他に手段もないように見えるしね。
(ここで裏情報を言っておくと、マジックアイテム「プラン」を使うことでDrメビウスから情報がもらえたのですが、コマーズ感染

を警戒したPLが避けたのかも。忘れてたのかも)
で、この辺から時間がそろそろ危なさそうだったので、GMは巻きに入る。
何かというと、黄金の姫がダンケルザーンに挑んだのだ。

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「ちなみに、黄金の姫のロボットなんですが、これデータ的には強化された【李星バトルアーマー】なんでよろしく」
「げぇぇ! 馬鹿になる!」
「あ、だからトルウィンが馬鹿になっているのか!」
「一応あれ、装着者を洗脳……というか乗っ取るマジックアイテムでもあるんだけどね。
なので、知力下がらないので黄金の姫は弱体化せずに強いままだから注意すると良いよいよい」
「つまり、威圧を使ってくるんだな?」
「はてさて、何のことかなぁ? 確かに10Lvの【ビジネス】とか持ってるけどね」
「……まさか武道使ったりしないよな?」
「……」(口笛)
「……」(殺意)

ちなみに、ダンケルザーン先生のデータはリビングランド最大最強の生き物【ボー・アカ】に飛行能力をくわえたものだったりする


実際には喋る事はなく、泣き声は「ダイトーリョー!」「シアトル!」「カブケン!」とか。あはれ。
ちなみに、ダンケルザーン先生は黄金の姫に威圧くらってあっさり倒されてしまうのでありました。
しかもプレイヤーズコールで。

「というわけで、現在上空にダンケルザーンを取り込んだ黄金の姫のロボットが」
「くそ、ふざけるなコノヤロウ」

というわけで、ルナル黄金の姫は独自世界法則【悪魔の法則】で周囲のサムシングを取り込みつつ変身を始める。
つまり「巨大ロボ」+「ドラゴン」+「黄金の姫」である。
時間がたつとトルウィンもここに合体。

ゲートも活発化し始めたので、JBの宇宙船(相当の飛行機なんですが)で一行も出撃。
いざ空中大決戦、ということに。

ルールは簡単。
各世界のレプリカであるロードたちが持っていたマジックアイテム、ダークネスデバイスの種になるかもしれない何かはまだ一人の手にそろったわけではない。
(PCが持っているもののほうが多いしね)
そのため、ゲートは中途半端にしか開いていない。

結局のところはDrメビウスの計画に操られている黄金の姫が勝ってしまえば、メビウスの勝利。
元々は、元から勝敗が仕組まれた、八百長のファラオのゲームだったわけである。
但し、そこを変えたのがPCやトルウィンなどのイレギュラー要素。
イレギュラー要素であるPCたちが勝てば、おそらくはゲートをくぐってナイルにカチ込みが出来るのではないか。

そんな話をしていると、ウーハン先生が一行を見てつぶやく。
「ふん、お前様たちを見ていると、かつて倒した強敵を思い出すアルですよ」
おおっと、まだ善悪はっきりしていないので口調があいまい。
なんでも、今回の計画を実施するためには膨大なポシビリティが必要で、色々と準備をしていたらしい。
また、大掛かりな儀式をするために、もっとも深い牢獄にとらえた強大な力を持つストームナイト達を生贄として使ったとか。
今考えれば、生者の世界の中に、無理やり死者の世界を作り上げるのだから、膨大なエネルギーを使うのだろう。
あいつらも今頃はミイラになっているかリアリティ爆弾になっているんじゃないかなー、などとのたまうウーハン先生。

「……なんかつながってネ?」
「ははぁ、読めてきたぞ」
「図書館ロールしていいですかキーパー」
「はいはい、皆さんの予想通りですよ。オープニングで君達がいたのは、ナイル帝国の首都にある、ファラオの秘密基地の一番奥深く。そんなところに有る、超重要ギズモの中で快適な生活をしていたわけですさ」
「ちょw それ、どこのオメガトロン(※)」
「いや、ずばりオメガトロンの中。君達は実はDrメビウスにつかまって、オメガトロンの内部で死んだり死んだり死んだり生き返ったり死んだりしていたわけなのですさ!」
「あぁ、って事はトルウィンやウーハンは爆発で死んだ、あるいは死に掛けたからこの世界にいるんだ」
「そのとおり。トルウィンが来たりしたのは、Drメビウスにかけられた“いいところで逆転負けが起きる呪い”のためですよ!」
「……あちゃー」
「じゃぁ、オープニングの殴られてた奴はメビウスか」
「何があったんだあいつ」
「まぁ、何か操作ミスしたんですよ。その理由は秘密」
「ふーん、ところで、何で俺達違うゲームだったの?」

……

「皆さん。ナイル帝国の世界法則をご存知でしょうか?」
「活劇」
「マンガ」
「脅威」
「まて、それはランドビロウだ」
「そう、善悪が明確に分かれること。これが鍵になります」
GM話聞いてねぇ」
「元々、この不安定なポケットディメンジョンはナイルのハイロード、Drメビウスが無理やり作り出したものです。
それ故に、この世界を統括する基本的なルールはナイル帝国になります」
「まぁ、こんな馬鹿なこと起きるのはナイルといわれれば、納得はする」
TORGだしなぁ」
「で、ナイル帝国の世界法則では、悪人と善人の割合、4:6なんですよ。悪人だけが存在する世界は作れないのです。
なので、うっかりと、あるいは必然によって生きていてかつ死んでいる皆さんはこの世界に引き寄せられました」
「で、他ゲームになった理由は?」
「今から話すってば。 でもって、他のロードたちが、他のゲーム世界からコピーされてきたように、あなた達も他のゲームから魂が近い、いわばアーキタイプが近い存在を上書きされたのですね。
でも、ロード達と違って、あなたがたは元々の人物が存在しているわけです。なので、ストームナイトであり、なおかつ他のゲームのキャラクターでもあるという混線が発生していたわけですね」
「あぁ、レッドハンドがトラブルシューターになってたのもそれね」
「そうそう、ウーハンはよりによってアイテムになってるけど」
「そういや、何で?」
「いや、うちの身内では倒された後メカになったり、ロボになったり、良く物になって再登場することが多かったからつい……」
(正確には、話の都合上必ず最初に与えられるお助けNPCだからテクスチャーをあわせただけなんですが)

と、最終決戦を前に自分達のアイデンティティが明かされる衝撃の一幕。
衝撃的な一言を聞いたプレイヤー達は、
「じゃ、とりあえず戦闘すべぇ」
と、あっさりしていたという。

戦闘は実際のところ、かなり熾烈を極めた。
何せ、ボーアカの耐久力と高レベルビジネスマンの(データはアーディネイと金輪さんの合いの子)対人戦能力を持った精神戦キャラクター。
しかも強化型バトルアーマーも馬鹿になったトルウィンと一緒に襲い掛かってくる!

ポシビリティは潤沢に残っていたため、黄金の姫の行動はことごとくポシが打ち消され。
ダンケルザーン先生(取り込まれすみ)の攻撃はなかなか当たらず。
むしろトルウィンが操縦するバトルアーマーが一番の強敵だったといいます。

<部活:狂的科学部(マッドサイエンス)>と<知識:クトゥルフ神話(推理)>でトルウィンの洗脳を説く手段が判明し、
<宇宙船操縦>で間合いをつめ、<ハイパーバーサーク>で押さえ込んだところに、遠距離からの狙撃による<武器落とし>が成功。
トルウィンを操っていた洗脳装置が空中に舞う。
ちなみにこの洗脳装置、誰も気がついてくれなかったのだが灰色のサークレット(※)であった。
ぶっちゃけるとGMもネタばらしをするのを忘れていたのでここでちょっとだけ書いておいた。

トルウィンの無事を確かめ、宇宙船からただ一人ダンケルザーンに飛び掛った男は、セッション終了直前になってはじめて自分の能力を使った。
召喚された最強最悪のペルソナ「軍神アレス」は、自分以外にぶった切る相手をランダムに選び攻撃するはずだったのだが。
そこには自分以外に、「ダンケルザーン+ロボット+黄金の姫」という三位一体モンスターしかいなかった。
GMは遠距離攻撃能力を持たせなかった自分を呪ったという。

三位一体モンスターは神がチェーンソーで切られるかのごとく真っ二つになった。
ボーアカの耐久力を一撃で消し飛ばす馬鹿のようなダメージ。
そこには、駄目押しとアドレナリンが10枚近く並んでいた。

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最後のロードを倒し、世界の崩壊が始まる。
マンチキンたちが、ボヘミアの町並みが、ぼやけ、分離し、もとあるべき場所へと戻っていく。
トルウィンも、レッドハンドも、ウーハンも、ボヘミアの街中に消えていく。
おそらくは死に掛けているのだろうが、彼らは幕間で得たポシビリティを潤沢に持っていたので死にはしないだろう。
ついに完全に開いたゲートをくぐり、一向はあの場所へと戻っていく。

その途中で、彼らは自分の中のもう一人の自分が、ゆっくりと去っていくことに気がつく。
蓬莱学園の科学者が、
T&Tの狂戦士が、
スペオペヒーローズのヒーローが、
ナイトウィザードのウィザードが、
200Xのペルソナ使いが、
そして、クトゥルフの呼び声(ケイオシアム版)の探索者が、
自分の果たした成果を喜び、再びどこかへと戻っていった。
そして、そこには6名のストームナイトがそろった。

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曇りガラス越しに、誰かが君の事を見ている。
薄ぼんやりとした意識の中、痛みと安堵が交互に訪れる。


オメガトロンの前に立つDrメビウスが、大きな装置を操作している。
だが、彼は気がつかない。
彼に豊穣と無限のエネルギーをもたらすはずの、
ポケットディメンジョンからのゲートが今開こうとしていることに。
彼はにやりと笑うと「さようなら、ストームナイト」とつぶやき……

その瞬間、音も無く背後に現れた6名のストームナイトに吹き飛ばされた。

意識は混濁し、世界は回りだす。
ストームナイトの意識は突然取り戻され、苦痛が襲う。
煙を吐いて、オメガトロンの動作がおかしくなる。
その瞬間、オメガトロンは音を立てて砕け散り、あの6名のストームナイトが飛び出した!

「Drメビウス! 決着をつけるときが来たぞ!」

こうして一つの世界は終わり、新しい世界が生まれだす。
セッションはこうして、無事に終了した。
戦いは、これからだ。
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【使用システム……16!】
ロードス島戦記コンパニオン……&、TORG

と、言うわけで何とか終了。
時間たっちゃったんで色々と記憶もあいまいなので、かなり適当になってしまったところは申し訳ないねぇ。