プレイリポート:サタスペ 「4U」

とかなんとか。
周囲に影響されてはてな日記を借りてみました。
今後適当に書き込んでみたりする予定。

でもって。
今必要とされているのはゲームのセッションレポートだったりするのです。

突発的な企画から始まったサタスペのリレーマスターキャンペーン。
というわけで第一回目のセッションのレポートです。


リレマスキャンペーンのキャラクター作成レギュレーション
「渋いの推奨、夢っぽいのは控え目に」
これはもうキャラクターができたので終了。シナリオはDDが自由に作ってくださいネ。(…でもまぁ、個人的好みとしては渋めのほうが嬉しいけど)

今回はセッション開始時にちょっと下駄を履かせることにしました。
異能や経験点はちょっと面倒そうなので、初期にいくつか追加でアイテムを持たせています。


キャラクター紹介

MBCさん:亜★侠太郎(あ★きょうたろう)。男。マネージャー。
亜侠漫画を描いている結構人気の漫画家。
取材のために亜侠を実践しているので、作者取材のために休載が多い。
このチームの行った仕事はことごとく彼の連載に使用され、子供たちに読まれている。
タイトルは「Kyokyoの奇妙な冒険〜星屑十字軍〜」に決定されたっけか。
いろいろと今回のNo1ヒットメーカー。
ごめん、年齢は忘れた。



泥酔さん:ロッタ・李・松田、15歳女。道化師。
ドイツ系華僑と日本人のハーフ。メイド。
外国の偉い人のおつきのメイドで、主人は留守がちなので好き勝手やっている。
主人の持ち物のはずのシトロエン2CVを乗り回す、礼儀正しいメイド少女。
微妙に裏社会に精通してそうだった。



dczさん:バーブチカ、11歳女。専門家。
廃児スタイルの男装の少女。食い逃げ常習犯。
すぐに相手に食って掛かる、狂犬のようなぎらついたアクションの多い子供。
今のところ彼女の性別を知っているのはごく少ない相手のみである。
バーブチカって名前の意味はまぁ、それはそれ。



黒野さん:ウーラン(壬生九朗)、25歳、男。参謀。
全身刺青の神父。沙京流氓の伝説っぽい殺し屋と入れ替わって生活している。
今回も大幇から殺しの依頼(命令)が飛んできていた。
なおかつ報酬は「死んだ本物の口座」に振り込まれるためにまったく儲からない。
戦闘担当。やっぱりなでると人が死ぬ。



かなやんさん:“ソーギヤ”ディエゴ山本、26男。荒事屋。
黒のロングコート、食い詰めたボディガード。
何でソーギヤなのかというと、守る対象がことごとく死んだからだとか。
スペイン系、日本語はカタコト。
戦闘担当その2。ショットガンキャラ。



■導入>>

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「ホテル・ジャカルタ」は完全に包囲されていた。
舞台はホテルの一階にある、半分ほどオープンカフェになりかけているバー。
周囲は完全武装の編集者の軍隊に取り囲まれ、硝煙とインクの匂いが立ち込めている。
編集者の一人が息を呑んだ瞬間、脇にある車のボンネットにGペンが突き刺さり、爆発。
炎の中から数名の男たちが現れる…

と、これは今ジャカルタの1階にあるバーのカウンターで、
一人のベレー帽の男が描いている漫画のネームである。
タイトルには「KyoKyoの奇妙な冒険」とある。
ベレー帽の男はそこまでを書き上げると受付に向かい、出版社へとFAXを送る。
この男、「亜★侠太郎」という。漫画家である。

さて、では原稿の上ではなく現実のホテルジャカルタのバーを見てみよう。
侠太郎だけではなく、次第に、亜侠らしき風体の連中が集まってきた。
黒いロングコートのボディガード、ソーギヤ。
全身に刺青を纏った年齢不詳の男、ウーラン。
廃品利用の衣服をがっちりと着込んだ浮浪児、バーブチカ。
最後に、年代物のシトロエンジャカルタの前に止まり、
お仕着せ(メイド服)を身につけた小女、ロッタがやってきて面子はそろった。

お互いに面識の無い5人は、こうして集まった。

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彼らは共通の知人であるフィクサー、岡目に呼ばれてここまできていた。
予定の時間を10秒ほど過ぎたころ、ホテルの前に一台のタクシーが止まる。
降りてきたのは二人の女性をつれた岡目。

岡目は軽薄そうな口調で挨拶を交わすと、5人の亜侠に話を始めた。
とある依頼のためにこの5人を集めたこと。
依頼内容は、護衛と調査。

二人の女は、フリーの街娼たちの盟約、SweetRosesのメンバーである。
上役らしき女はにこやかに「オルガ・飛」と名乗った。
もう一人の女は日本系の若い女で、「ミヤコ」とだけ名乗った。
ミヤコは明らかに亜侠たちに警戒感を持っているようで、
それはしばらく話しているうちに男性に対しての不信感である事がわかる。


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■依頼者
SWEETROSES(オルガ・飛)

■依頼内容
ストーカーに付けねらわれている娼婦の護衛と事件の解決
護衛対象:門脇 都(かどわき・みやこ)、18歳女。
期間:まずは数日間。
報酬:事件を解決した場合は一人につき札束一つ。
解決できずに護衛だけしている場合は生活費程度をもらえる。
また、サービスとして一人1回SweetRosesの娼婦をくっつけてもらえる。
(恋愛奴隷同様に1日だけ「恋人がいる」扱いにしておく事ができる)

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亜侠たちはミヤコが男性不信だということに気がつくと、女性であるロッタに交渉をお任せ。
ボディーガードという本職をやることになって喜ぶソーギヤとロッタがミヤコと同行し、
ウーラン、バーブチカ、侠太郎の3人は調査に赴くこととなった。
ちなみに、ゲーム的にはこの時点で1日目の朝のWTは終了。行動開始は昼からとなる。また、ミヤコは今日は仕事をしないが、明日からは仕事に戻る。
この間の護衛もしなければいけないのだ。

>>護衛組<<
まずは話を聞くことから、とミヤコと話をする二人。
あまり好みではない(好みとまったく一致しなかった)ため&恋愛が低いためにあまり乗り気ではなかったソーギヤもついつい会話に参加。
DDはこの時点で会話をしたりすることでミヤコの好感度が上下すると宣言。
亜侠たちは完全に分業体制にすることに決めたようだ。

話を聞いていても襲われる理由もわからないし、心当たりも無いというミヤコ。
昔の客とかに関係していないかと話をすると、かすかに表情が変わり、携帯電話を握り締める。
携帯電話のストラップ(お宝にストラップ型の盗聴器がある)に気をつけろとPLレベルで相談が始まり、実際に確認するとミヤコの生活レベルとしては明らかに高価そうなストラップがついている事がわかる。
聞くと前の客からのもらい物だというが、表情は暗く、何か言いよどんでいる感じ。
二人は許可を得てからストラップを調べたものの、判定には成功せずに特に得るものは無し。


>>調査組<<
調査したのは「ミヤコを狙っているのは誰か?」
DDは「1日目では初期にある情報が少ないので、まだSLの低い情報しか判明しない」と宣言。
それでも調べておこうと調査を開始する一行。
なかなかうまくいかなかったものの、わかったのは「このストーカーは雇われている奴らしい」「ミヤコが狙われているならば、依頼が来る以前にも襲う可能性があった。狙われているのは別にあるのではないか」程度。



>>1日目3WT(夜)<<

(DDより)
本来は1日目終了時にと考えていた空き巣イベントですが、この時点で護衛組が都のアパートに行くことになったために急遽前倒し。
…しまった、どうせなら部屋に入ったら泥棒と御対面とかでもよかったかな。


部屋は半分ほどあらされており、判定の結果「金目のものもとられてはいるが日記やレターボックスなどを重点的に漁った形跡がある」事がわかる。
一行はますますミヤコの前の客について疑いを深める。

また、ミヤコが勝手に飼っていた野良猫の安否を気遣うシーンではロッタ、ソーギヤ共に猫探しを手伝い好感度ゲット。この時点でロッタ、ソーギヤ共にシナリオ規定のポイント以上(+2以上)に好感度が上がる。

(DDより)
この時点で、実は他の三人はミヤコと会話をしていなかったり、というか会ってもいない。
無茶苦茶クレバーな分業であるが、DDはちょっとさびしい。
もう少しミヤコから動かすべきだったかなぁ。……いらんか。

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夜になり、ウーランはSweetRosesのサービスを受けるべく女を呼ぶ。

同じ部屋にいたバーブチカは娼婦を拒む(女性なのだから当然なのだが、他のメンバーはそのことを知らない)。
娼婦たちが面白がってウブな(そう見えた)バーブチカを襲ってみたが……。
ちなみに、このときウーランは
クライングフリーマンっぽい演出で一人シャワーを浴びていた」
ために、この事件に気がつくことは無かった。
(PC間協議の結果)

ちなみに、同じく同行していた侠太郎は別の個室にしけこんでいた。
「えー、やだぁ、貴方マンガ家なのぉ?」
と、べたべたな反応を返す娼婦に侠太郎が言った台詞は
「ははは、君も僕のマンガに出してあげよう」

(DDより)
ここでMBCさん(亜★侠太郎のトリッパー)以外呼吸困難に陥りしばらくゲーム停止。


精神点を消費していたロッタはソーギヤ、ミヤコとともにホテルに逃げ込もうと考えていたものの……
潜伏先として用意された安モーテルの快適度を見て家に帰ることに。
モーテルにソーギヤとミヤコの二人が残されるが、残念ながらプロ根性の強かったソーギヤは何もしないで朝に。

(DDより)
ちぇ。好感度上がってたし、ミヤコからアプローチを仕掛けておくべきだったか。

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2日目1WT(朝)

仕事のために官庁街へ(客をとりに)赴くミヤコに同行して、ソーギヤ、ロッタ、ウーランが同行する。

ロッタはそのままミヤコの前の客について確認すべく、SweetRosesのオルガに電話をする。
ある程度は予想通り、そのジョニーという名の米兵はミヤコにベタぼれで通い詰めていたが、ここしばらく顔をみせていないという。
ミヤコが塞ぎこんでいたのもそのためだろう。

一方、「ストーカーがいるのであれば捕まえてしまおう」と武器も持たずにやってきていたウーランとソーギヤのおっかないコンビは、
ミヤコが客をとっているモーテルの近隣を徘徊するストーカーを発見。
しかも「まて、他にもいるかもしれん」と抜け目ない発言により、少し離れてストーカーの見張り兼護衛の三下2人も発見する。

三下を判定不要気味にとっ捕まえ、奥まったところまで引っ張っていってから尋問し、彼らがコンビナートの下部構成員であること、ミヤコを追っている理由はミヤコの恋人の居所を調べるためだという事が判明。
ストーカーもあっさり捕まえて、ミヤコの帰りを待ってミナミへと引き上げる一行。

そのとき、ウーランの携帯電話に着信。
一人で電話に出るウーラン(ソーギヤはストーカーを捕まえに行っていた)。
相手は大幇の幹部。仕事の依頼だ。
「今回の相手の名前は、ジョニー・ホイットマン。詳細な資料はいつものところに届けておこう」
一方的に電話は切れる。


調査組もこの話を受け、調査できる項目が増えたためにさまざまな情報を得る。
ジョニーは在阪米軍の将校であり、どうやらコンビナートと大幇のそれぞれ中堅クラスの人物から追われていること。
コンビナートも大幇も、名の通った殺し屋を雇ってジョニーを追っていること。
コンビナートが雇ったのは「マレー兄弟」という傭兵崩れの南米人の二人組。
大幇が雇ったのは、「ウーラン」という正体不明の殺し屋だという。

そこに戻ってきたウーラン達。ウーランは大幇から送られてきたジョニーの資料を投げ出す。
「奴はやりすぎた」

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ここでPCは打ち合わせを開始。
「ミヤコに惚れたジョニーが、軍の機密とか何かを横流ししてコンビナートと大幇を天秤にかけて失敗したのだろう」
「ミヤコが追われているのはジョニーの行き先を知っていると思われたからだろう」
と、シナリオの情報からほぼ正解の結論を導き出す。

DDはあとは場所を確認してそこに行くだけ、と思っていたのですが。
「じゃぁあれだ、最後はジョニーをかばうミヤコとソーギヤに対して、ジョニーを殺そうとするウーランが茶番対決せねば!」
とPCが盛り上がってしまい。

……シナリオ上ジョニーは既に死んでるんだけど、それだとコンフリクトが発生しなくなっちゃうなぁ。
(正確にはウーランに依頼は少し考えていたので、コンフリクトが起きないように既に死んでいることにしていた)
でもまぁ、そっちのほうがキャラも立つし、何より楽しそうだし。

……というわけでDDはこっそりとシナリオを修正しましたことよ?

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>>クライマックス<<

ミヤコに今まで調べたことを打ち明け、ジョニーに関する話を聞く一行。

ミヤコはジョニーを好きになっていたが、それでも「いつか捨てられる」という考えを捨てられないために素直になれないでいた。
そしてジョニーが姿を消し、「やはり自分は捨てられたのだ」と思っていたのだ。
(それでも、ジョニーからもらったストラップだけはつけていたあたり未練が大きかったのだ)

ストラップを再度調べ、内部にドッグタグが隠されていることにこんどは気がつく一行。
そこには、北港の倉庫外の名前と
「385_N4E6_Au4U」
とだけ残されていた。
結果、
「ミヤコ_(倉庫街の)北から4つ、東に6つ目(のコンテナ)_forYou」
という程度の意味だと判明。(AUに関してはわからなかったのですが、Auは金の元素記号。単に金塊のことをさしていました)
一行は倉庫街へと向かう。
同時に、ウーランに連絡が入る。
「マレー兄弟が動いた。北港の倉庫街だ。そこにターゲットがいる可能性も高い…奴等ごと、叩き潰してかまわん」


>>戦闘<<
一行が特に何も言わなかったので(ウーランしかマレー兄弟が来ている事を知らなかったからでもある)いきなり戦闘に突入。
舞台は倉庫の大型コンテナの中である。


一行のほかには
マレー兄弟(兄:ブラックアドレス。弟:黒服)
ジョニー(列強の兵士。武器なし、HP残り5から)
がいる。
マレー兄弟は50%の確率でジョニーを狙うとしたが、何故か一行ばかり撃とうとしていた。

結果、マレー兄弟はろくな戦果を上げることもないまま敗退。
しょんぼり。


ジョニーを救出し、ミヤコとの再会。
そこに、ウーランが進み出る。
「ジョニー・ホイットマン。お前はやりすぎた」

ジョニーをかばおうとするミヤコ、ミヤコは無関係だとのみ答えるジョニー。
その間にソーギヤが立ちふさがり、ロッタは車を準備し、逃走の準備を整える。
侠太郎のペンは、そのシーンを残さず記録していく。

ソーギヤとウーランの間に一触即発の空気が流れ、緊張の糸が切れたそのとき、
バーブチカが横合いからウーランに飛び掛り、バランスを崩したウーランはバーブチカもろとも転倒する。

バーブチカ「で、その時に衣服がはだけて、胸のところが押し付けられるのよ」)
(ウーラン「なんと。『…は、お前まさか!』」)
(一同「茶番だ」)

その隙を突いて、ミヤコとジョニーはロッタのシトロエンに乗り込み、逃亡する。
ウーランは立ち上がると埃を払い、ただ肩をすくめる。
「どうする、ウーラン」
緊張を解かずに身構えるソーギヤに対して、ウーランは一言だけ答えた。
「ウーランではない。壬生、だ。親しい者はそう呼ぶ」


壁の一部が偽装され、そこには軍からの流出品であろう麻薬と金のインゴットが隠されていた。
これがジョニーが持ち出したもの。しかし、ジョニーはドラッグも金塊も、金も持っていくことはできなかった。

先ほどまでジョニーがいたところに、彼の手荷物が残っていた。
ウーランが覗き込むと、そこには小さなオルゴール。
開くと「星に願いを」がゆっくりと流れ出し、箱の中にはエンゲージリングが一つ。
ウーランはただ肩をすくめ、ソーギヤに向けて箱を放り投げた。


−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−・−

>>エピローグ<<

ミナミ。SweetRosesの溜まり場になっている店。
ソーギヤは困った顔でオルガと向き合っている。
ストーカー事件は解決したが、ミヤコは大阪を出てしまった。
オルガは小さく笑い、それならそれで良いと告げる。
拾った野良猫が、また何処かに行っただけだからと。


雨あがりの大阪湾。弁天艦隊の密輸船。
ロッタがミヤコとジョニーを見送っている。
ソーギヤから電話がかかってきて、ミヤコが話をしている間にロッタはジョニーに箱を渡す。
「大事なものなんでしょう。もうなくさないようにしてくださいね」
その意味するところを知ってかしらずか、ジョニーは深々と礼をした。
汽笛が鳴り、船は旅立っていく。
ロッタは車にに戻り、家路につく。もう、雨はやんでいた。

ホテルジャカルタの一室で、ウーランは大幇の幹部にこんどの一件を報告していた。
ジョニーは死亡。マレー兄弟は行方不明。
大幇とコンビナートは所持者のいなくなった麻薬と金塊を折半し、今回の事件は手打ちとなった。
「見事な手並みだな、ウーラン。……報酬はいつもの口座に振り込んでおこう」
受話器越しに凍りつくウーランに気づかぬのか、相手はそのまま電話を切る。
バーブチカがドアを開けて、何が楽しいのかウーランにまとわりつく。
ウーランは複雑な顔をした。

一方、アトリエにて。
マンガ家である亜★侠太郎の原稿はデッドリミットぎりぎりで完成。
編集者は脱兎のごとく去っていく。
死屍累々たるアシスタントたちの中、漫画家は亜侠の夢を見る。


……数週間後、この話は細部を微妙に変えて連載された。
子供たちには人気の連載だが、大人達には取り合われもしなかったということだ。