【映画】ヤング@ハート

見てきました。
どんな映画なのか、簡単な紹介は以下に。

http://youngatheart.jp/index.html

自分はこれを軽く眺めて行っただけだったのですが、まさか完全ドキュメンタリー映画とは思いませんでした。
てっきり実話を元にした物語だとばかり……

内容としては、平均年齢80オーバーのコーラスグループが、復活祭のコンサート迄の七週間の練習を行い、メンバーの死(年齢が年齢だけに老衰や病気でいなくなる)とかもありつつ、コンサートを終えるまで。
そこに密着取材した『だけ』のもの。
ただ、選ばれている曲目がジェームス・ブラウンやらソニックユースやらなのがちょいと不思議な話。
見た限りはそれなりに生活レベルの安定した、おそらくは中産階級からやや富裕あたりの人々であることは確実なんですが、特にすごい過去があるとか、変な設定などはないのです。
あくまでも、そこにでてくるのは普通の人々。


流れてくる曲は、全て彼等の肉声。
映っているのは、全て普通の人々。
派手な特撮も、特殊効果も、アクションシーンも、練りこまれた脚本もない、飾らない素敵な日々の素描。
コンサートや映像用にPVを撮影しているのが、おそらく唯一の撮影のための撮影。

ただ、歳をとって、身近な人の死に慣れて、それでも陽気さを失わない、どこにでもいる老人たちとその家族や友人たちの日常。
物語として山場があるわけでもなく、物語の終わりに大きなどんでん返しがあるわけでもなく、Happy-ever-Afterが定まっているわけでもない。

カラリとした、何気無い日常が流れているだけなのに、時に涙がこぼれそうになりました。
音楽の力もありますが、それだけではありませんよ。


まだ上映しているところは少ないのですが、是非お薦めします。
物語は、当たり前の日々の中にもあるということを再認識させてもらえる。
その上、笑いも涙もちょっとづつもらえる、元気になれる作品でした。すごくお勧め。